突然ですが筆者の父親は1957(昭和32)年頃から「純喫茶」を営んでおり、60余年にわたり現在でも「コーヒー専門店」の老舗を継続して運営している「コーヒー職人」&「パン切り職人」です。
そんな「コーヒー専門店」の老舗の息子である筆者が「【コーヒー】なぜ世界では「エスプレッソ式」が主流なのに日本では「ドリップ式」が主流なのか?」について記事を書かせていただきたいと思います。
こんばんは!たかぼんブログドットコムのたかぼんです。
【目 次】
日本のコーヒーの歴史
なぜ世界では「エスプレッソ式」が主流なのに日本では「ドリップ式」が主流なのか?
結論から申し上げますと、日本で喫茶店の第1号店ができた当時は世界でも「エスプレッソコーヒー」という存在がなかったということが一つの理由で、もう一つの理由は日本人の口に合いやすかったのが「エスプレッソ式」よりも「ドリップ式」だったということが、日本で「ドリップ式」が主流になった二つの大きな要因だったと筆者は推測しています。
日本での本格的な喫茶店の第1号店は1888年(明治21年)に開店した「可否茶館(こーひーさかん)」というお店です。
これに対してエスプレッソを発明されたのは1903年イタリアの「Luigi Bezzera(ルイージ・ベゼラ)」ということになっています。
日本に喫茶店ができてから実に15年後のことになります。そのエスプレッソコーヒーも世界に浸透するまでにはかなりの年数がかかっています。
厳密には電気式のエスプレッソマシンが開発されたのは1961(昭和36)年なので日本の喫茶店の第1号店ができてから73年後になります。
その間に日本では1763年フランスのブリキ職人「ドン・マルティン」によって発明された「ネル付きドリップ・ポット」で淹れるネルドリップコーヒーが浸透してきました。
また1840年頃スコットランドの造船技師「ロバート・ネイピア」が考案した「サイフォン式」で淹れるコーヒーも広まりつつありました。
筆者が子供の頃に実家で目にしていたコーヒーの淹れ方もネルドリップ式でした。
日本のコーヒーの文化には世界にはない「コーヒーを冷やして飲む」という「アイスコーヒー」という文化があります。
特に関西では昔から「冷コー(れいこー)」と呼ばれて親しまれていたドリンクです。
ペーパードリップ式の発明
ペーパードリップ式のコーヒーを発明したのは1908年ドイツの「Melitta Bentz(メリタ・ベンツ)」という女性です。いわゆる「メリタ式ペーパードリップ」ですね。
当時は使い捨ての紙製のドリップのニオイが気になっていた方が多かったのですが、今では紙質が改良されて日本のカフェや喫茶店で一番の主流となっている淹れ方がこのペーパードリップ式のコーヒーです。
インスタントコーヒーの歴史
1901年にアメリカのシカゴに在住していた日本人の加藤サトリ氏が「パンアメリカン博覧会」で世界初となるインスタントコーヒーを発表されました。
加藤氏は1903年にインスタントコーヒーのスプレードライ製法の特許を取得しましたが製品化には至りませんでした。
1906年アメリカ人の発明家のジョージ・ワシントンがスプレードライ製法を改良した別の方法でインスタントコーヒーに関する新しい特許を取得し1909年アメリカで世界初のインスタントコーヒー「ベルナ」が大量生産されました。
日本では遅ればせながら1960(昭和35)年4月に森永製菓が国産で初めてのインスタントコーヒーを製造・販売し日本国内でのインスタントコーヒーのブームに火を付けました。
缶コーヒーの歴史
缶コーヒーの歴史では1959(昭和34)年1月に外山食品が世界初の缶コーヒーである「ダイヤモンド缶入りコーヒー」を発売します。
同年に明治製菓が無糖ブラックの「明治コーヒードリンクス」を発売します。
1965(昭和40)年に島根県浜田市の喫茶店オーナーの三浦義武(みうらよしたけ)氏によって開発された「ミラ・コーヒー」が発売されます。
「UCC上島珈琲」が1969(昭和44)年に「UCC缶コーヒー」を発売し、1973(昭和48)年には全国におよそ50もの缶コーヒーのブランドが登場しました。
「UCC上島珈琲」が1970(昭和45)年の大阪万博で販売に力を入れ評判が広がり瞬く間に注文が殺到し、世界初の缶コーヒーとして日本に広く知られることになりました。
しかし「ミラ・コーヒー」はというと資金難から発売を中止し、「ミラ・コーヒー」を開発した三浦義武氏自身が経営していたコーヒー店である「ヨシタケ」も体調不良で閉店することとなり対照的な結果となってしまいました。
「インスタントコーヒー」と「缶コーヒー」の出現はまさに日本のコーヒー文化の人気をけん引したと言えますね。
ドリップバッグコーヒー
「インスタントコーヒー」・「缶コーヒー」に続き「ドリップバッグコーヒー」の開発をしたのも日本人です。
「ドリップバッグコーヒー」は手軽に1杯づつ淹れたてのコーヒーを楽しめるので訪日外国人からも驚きの声が出ています。
コンビニコーヒー
最近ではコンビニでも手軽に淹れたてのコーヒーを楽しむことができる「コンビニコーヒー」も日本のコーヒー文化に貢献しています。
こう考えてみると「アイスコーヒー」・「インスタントコーヒー」・「缶コーヒー」・「ドリップバッグコーヒー」・「コンビニコーヒー」と日本発祥のコーヒー文化と言っても過言ではないと思います。
海外のコーヒーの歴史
日本で初めてコーヒー豆が入ってきたのは江戸時代にオランダ商人が長崎の出島にもたらしたのが最初でした。しかし当時の日本人の口には合わずなかなかコーヒー文化は開花しませんでした。
一方海外では日本よりもかなり昔からコーヒーの文化が流行り、その都度変化するコーヒーの淹れ方にも対応されていたように思われます。
1510年頃にエジプトのカイロに世界初のコーヒー店が登場したと言われています。
その当時のコーヒーはコーヒー豆を煎りそれを石臼で挽いて煮出して飲む方法でした。
そののちに1554年トルコの首都「コンスタンチノープル」に「カヴェー・カネス」という著名なコーヒー店ができました。
そして1652年「ロンドン」でヨーロッパ初のコーヒー店が登場し、わずか10年で2,000軒のコーヒー店がロンドンで出店されるようになりました。
この当時までのコーヒーは先ほどと同じコーヒーの粉を煮出して飲むトルコ式コーヒーのスタイルでした。
しかしこれではコーヒーの粉が沈殿するまでに時間がかかり、底に溜まった粉が邪魔になります。
その後1763年フランスのブリキ職人「ドン・マルティン」によって“ネル付きドリップ・ポット”が発明されコーヒーの画期的な歴史が塗り替えられました。これによりコーヒーの粉はドリップ内にとどまりコーヒーがより飲みやすくなりました。
また1840年頃スコットランドの造船技師「ロバート・ネイピア」は「サイフォン方式」を発明されました。
欧米では「ネルドリップ方式」や「サイフォン方式」でコーヒーが飲まれていたのですが、それに加え、1903年に「エスプレッソ方式」と言ってコーヒーをさらに速く抽出したいと考えたイタリアの「Luigi Bezzera(ルイージ・ベゼラ)」が高圧抽出の方法を発明しました。
次項ではエスプレッソコーヒーがなぜできたのかを解説させていただきます。
エスプレッソの誕生のきっかけはあの歴史的有名人物
エスプレッソの誕生のきっかけになったのは1806年フランス帝国の「ナポレオン1世」が敵対するイギリスへの対抗策として発布した「大陸封鎖令」です。
大陸封鎖冷により植民地から輸入していた砂糖やコーヒー豆がヨーロッパ大陸全土で極端な不足を招くことになります。
この当時のコーヒー豆の不足からイタリアのカフェではハーフサイズのカップでコーヒーを提供する「デミタスコーヒー」を安価で提供したところ多くにイタリア人から受け入れられるようになりました。
大陸封鎖冷を発布してから約100年後の1903年イタリアの「Luigi Bezzera(ルイージ・ベゼラ)」が高圧力で抽出し濃厚なコーヒーを淹れるエスプレッソ方式を開発し1906年にはエスプレッソマシンをミラノ万国博覧会で紹介されるまでに至りました。
エスプレッソコーヒーをを1杯ずつ注文に応じて淹れるスタイルがイタリア内で広く受け入れられるようになりました。
その後1961年には電気式のエスプレッソマシンが開発され世界中でエスプレッソコーヒーが急加速で広まりました。
しかしドリップ方式のコーヒーの味わいが好みの日本人と、ペーパードリップの開発国のドイツのコーヒー店では、エスプレッソコーヒーよりもペーパードリップコーヒーの方が主流になっているようです。
まとめ
この記事では「【コーヒー】なぜ世界では「エスプレッソ式」が主流なのに日本では「ドリップ式」が主流なのか?」について記事を書かせていただきました。
海外から来日された人が最も驚く日本のコーヒー文化が「エスプレッソをブラックで飲む」ことです。
確かに糖尿病の予防のためにどんなコーヒーでもブラックで飲むことが美徳だと思っている日本人は意外と多いと思います。
しかし海外ではエスプレッソをブラックで飲む人は少なく、エスプレッソを飲みほした後の溶けきらなかった砂糖を食べるのを楽しみにしている人が多いのです。
どうですか?意外だったのではないでしょうか?
コーヒー文化1つをとってみても日本と海外ではまったくちがう文化があるのですね。
日本でも海外でもまだまだコーヒー文化には変化が出てきそうなので、コーヒー文化から目がはなせない時期はこれからも続いていくものだと言えそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
感謝いたします。
少しでもあなたのお役に立てたらうれしいです。
ではまた!
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